コラム

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2024/02/19

追悼 神品芳夫先生

粂川 麻里生(慶應義塾大学教授・公益財団法人ドイツ語学文学振興会理事長)


当法人の元理事で,東京大学名誉教授,明治大学でも教授をつとめられたドイツ文学者で詩人の神品芳夫先生がご逝去されました。当法人にとっては,独検を中心になって創始してくださった方であり,現場を退かれたのちも,いつも「最後の後ろ盾」として重きをなしてくださっていた先生でした。

長身痩躯に薄い色のスーツを纏い,いつも穏やかな微笑みを浮かべた「紳士」ということばがぴったりの方で,問題が起こったり,関係者が失敗をしたりすることがあっても,「まあ,頑張って!」と微笑みながら励ましてくださいました。近年もコロナ禍前までは,独検の表彰式・パーティなどには必ずお越しになり,お願いすれば,乾杯の音頭も嫌がらずにとってくださいました。

これからは危機に陥ることがあっても神品先生にはもうご相談できません。ですが,92歳までお元気でいてくださり,当会の事業を応援し続けてくださったことは大きな支えでありました。

神品先生,長い間,本当にありがとうございました。お疲れさまでございました。